令和6年度事業報告書(令和6年4月1日から令和7年3月31日まで)
1 当法人の現況に関する事項 |
(1) 事業の経過及びその成果 |
事業別経常収益 | 予算額 | 決算額 | 達成率 |
出版事業 | 1,843,000円 | 1,904,173円 | 103.3% |
裁定事業 | 2,500円 | 7,500円 | 300.0% |
その他事業 | 3,053,000円 | 3,276,333円 | 107.3% |
法人会計事業 | 4,364,040円 | 4,366,097円 | 100.0% |
(2) 資金調達等の状況 ① 資金調達並びに設備投資 特になし |
( 3) 直前3事業年度の財産及び損益の状況 |
区 分 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 |
経 常 収 益 | 10,788,415 円 | 11,153,753円 | 9,258,733円 | 9,554,103円 |
当期経常増減額 | 900,896円 | 965,841円 | △1,220,614円 | △1,678,351円 |
正味財産期末残高 | 16,677,451円 | 17,643,292円 | 16,422,678円 | 14,744,327円 |
(4) 主な事業内容 |
事 業 | 主要な事業の内容 |
出版事業 | 内外綿花事情および需給状況の調査、資料整備、見通し等を行い、綿花需給に関する 統計/資料を定期的に作成し、会員/紡績等の関係先に配付。 尚 発行資料は次のとおり。 A 綿花週報(48回) B 2024年版英文綿花統計年鑑 C 輸入・消費・在庫統計/通関(数量/金額)統計/船社別綿花輸入統計 |
裁定事業 | ① 綿花の品質裁定および抗告 A 裁 定 当期における裁定申請は前期に引き続き行われなかった。door to door 取扱い増加、 HVI(高速格付機器)検品の普及などによるものであるが、併せてわが国の綿花輸入で 品質の安定性から米綿、オーストラリア綿、およびブラジル綿の3綿種の寡占化が進ん でいることも影響している。 B 抗 告 上記の理由により、当期における抗告申請は前期同様なされなかった。 ② 綿花の格付および機械検査 A 格 付 国内綿花輸入業者からの綿花の品質についての格付申請は1件(検査俵数は10俵)。 B 機械検査 当期の国内綿花輸入業者からのマイクロネア検査申請は1件(検査俵数は5俵)。 ③ 綿花品質に関する調査研究 A 米国農務省作製の米綿スタンダード・ボックスを入手、品質につき検討した。 B 海外関係機関と綿花の値鞘に関する資料交換を行った。 C わが国における綿花の値鞘表を毎月1回発行、これを国内綿花業者および海外関係 機関に配布した。 |
その他事業 | <海 外> ① CICCA(綿花協会間国際協力委員会) 2024年10月17日、年次総会をリバプールにて開催。本件会議には、各国CICCA代表、 オブザーバーステータスを持つ国際機関の代表者が出席した。なお、わが国からは、大 下信雄・綿花協会代表理事が出席。 主要議題は(a)2023年10月12日、リバプールで開催された総会での議事録の承認、 (b)収支決算/予算案、(c)オブザーバーステータスを持つ国際機関の代表者によるス テートメント、および(d)CICCAの機能強化。 (b)については、2023/24年度決算と2024/25年度の予算案を承認。なお、加盟協会は年 会費を£500に設定するか、調整するか、あるいは無料にするか種々協議の結果、会費 の「休止」の年を設けることで合意し、2024/25会計年度(2024年8月1日~2025年7月31 日)は加盟協会による会費の支払いはないことで合意された。 (d)については、より多くの機関がCICCAに参加するよう奨励し、世界貿易における「契 約の神聖」をサポートすることは有益である。この関連で,HCI(ギリシャ綿花協会)の CICCA加盟申請は、同協会の一部メンバーの契約不履行問題もあって、不履行メンバ ー全員がHCIの会員資格から除外された後にのみ、HCIのCICCA会員資格申請を審 査することで合意された。 また、一定期間の猶予を経過しても資格基準の一部をクリアできていないアフリカの綿 花協会に対しては、規定に沿った対応をとらざるを得ないという判断に至った。 その他、バングラデシュの政治混乱やトルコの植物検疫証明書の問題、EUで開発され たPEF(製品環境フットプリント)が綿花本来の環境優位性から逸脱した指標となってい るため、それに代わるMTLCキャンペーンを綿花業界としてサポートしていくことが議論 された。 相場商品である綿花の契約不履行は、業界で依然として大きな問題となっている。 本件は、生産、消費国双方の共存共栄に関わる問題であり、関係者一同が「契約の神 聖」を順守する必要性を、我が国代表からも指摘した。 なお、次回総会は2025年10月9日、ドバイで開催予定。 ② ICAC(国際綿花諮問委員会) 2024年9月29~10月3日の5日間、「綿花とテキスタイル・バリューチェーンの関心を推 進するグローバルパートナーシップ」をメインテーマに、ウズベキスタンの首都、タシケン トで第82回年次総会を開催。 15ヵ国の政府代表、関係国際機関9団体、およびその他オブザーバー7ヵ国で、出席者 総数は460名に上った。 わが国からの参加者は: 日本紡績協会: 小笠原 正人(長谷虎紡績㈱)、上原 千秋(日本紡績協会) 日本綿花協会: 甲斐 孝明(豊島㈱)、工藤 俊(東洋棉花㈱) 主要議題は、(1)気候変動に対する綿花遺伝学、ゲノミクス、育種における昨今の進歩 (2)天然繊維と化学繊維のトレーサビリティと持続可能な要件、(3)グリーンシフト;国際 環境政策が綿織物貿易をどのように再形成できるか、(4)世界の綿花貿易とスペシャル ティー・コットン、(5)世界の繊維需要と供給の予測:傾向と洞察、(6)綿花の世界的なプ ロモーションにおけるICACの役割、および(7)レジリエントな世界の綿製品バリューチェ ーンの構築。 会議は9月30日、主催国側より、ウズベキスタン政府農務省代表の歓迎の辞でスタート し、ICACを代表してEric Trachtenberg 事務局長が謝辞のステートメントを読み上げた 後、5日間にわたって公開討議が6回、並行討議が5回、ワールドカフェが1回、および 運営委員会が1回開催された。 なお、タンザニア代表より、次回総会をタンザニア(2025年11月17~20日)に招致したい 旨提案があり、承認された。 ③ 海外行事参加 A ACSAオーストラリア綿花輸出業者協会)主催によるオーストラリア綿花ウェブセミナ ーを2024年4月20日開催。綿/紡協より多数オンライン参加した。 講座内容は、オーストラリアの2024年産綿の収穫、出荷、物流、および業界におけるそ の他の開発に関する進捗状況の最新情報。 B ACSA (米国綿花輸出業者協会)100周年年次総会が2024年6月13~15日にアリゾナ 州で開催され、日本綿花協会は招待を受け、大下信雄代表理事が出席した。 ④ 海外関係者との諸会合 ABRAPA(ブラジル綿花生産事業者協会)のMr. Alexandre Schenkel会長とMr. Marcelo Monterioo 理事が11月6日、来阪したのを機に、当会会議室で綿/紡協の値鞘委員メン バーを中心に合同の懇談会を開催し、ブラジル綿のプロモーションについて意見交換し た。 ブラジルは今や世界第1位の綿花輸出国として台頭しており、今後日本においても同国 綿花の重要性が高まっていくと考えられ、こうした討議を通じて、日伯綿花業界間の相 互理解及び信頼関係を再確認するなど、大変有意義であった。 <国 内> ⑤ 各種委員会委員(期末現在) ○ 受渡委員会 間瀬 拓(東棉) 林 進平(伊藤忠) 林 照幸(山忠) 甲斐孝明(豊島) ○ チャージ委員会 間瀬 拓(東棉) 林 進平(伊藤忠) 甲斐孝明(豊島) ○ コントラクト委員会 林 進平(伊藤忠) 間瀬 拓(東棉) 甲斐孝明(豊島) ○ 長繊維綿委員会 林 進平(伊藤忠) 間瀬 拓(東棉) 武田忠治(山忠) 甲斐孝明(豊島) 〇 非紡績用原綿部会 杉野友紀(杉野) 山下 吉春(山一) ⑥ 委員会関係活動 A 受渡委員会 a 台風、豪雨及び地震による綿花被害の有無の件 2024年9月10日:名古屋港の幹事倉庫より、台風10号接近による倉庫保管綿花等への 影響につき「異常なし」との連絡あり。 b 港湾防災対策の件 港湾・倉庫における綿花取扱上の安全対策、特に台風シーズン中の災害防止対策には 万全の注意を払うよう日本綿花荷捌協議会に申し入れた。 B チャージ委員会 輸入諸掛かりの件 窓口商社が2024年11月1日以降入港船に適用する Sliding Charge について、日本紡績 協会会員紡績と合意。関係商社に通知。 C その他委員会 コントラクト/長繊維綿/非紡績原綿部会の各委員会は本年度開催なし。 ⑦ 倉庫/港湾関係 A 綿花倉庫の新規指定、解除:名港海運㈱より、2024年5月16日付にて綿花取扱いの 減少による倉庫再編との理由から、指定倉庫(稲永4E及び1)解除申請があり、現状を 踏まえ、解除を承認した。 B 各港の綿花指定倉庫から荷捌綿花・CY通関綿花の輸入実績明細を収集し、わが 国綿花輸入統計の基礎資料とした。 ⑧ 国内行事参加 CCI(国際綿花評議会)主催による「コットンの日」イベントを、2024年5月10日、東京・目 黒のホテル「雅叙園」での会場開催とオンラインによるWEB開催を併用するハイブリッ ド形式で実施。参加者総数は242名。 イベントは主催者側より、日本紡績協会の竹内会長の歓迎の辞でスタートし、A.T.カン パニー株式会社 シニアパートナー 福田 稔氏が「2024年アパレルの未来~業界が 持続可能になるためにすべきこと」と題して特別講演を行った。 また、CCIの上席理事 Razvan Oancea 氏が「U.S. Cotton Trust Protocolの現状~ア パレル・繊維業界のメリット」と題して講演を行った。 さらに、長年、サステナブルで責任ある綿花生産に努めてきたアメリカ綿業界が、その サステナビリティを証明し、生産サプライチェーン全体の透明性を確立する取り組みな どが紹介された。 当日は、アメリカ綿業界による展示コーナーをはじめ、アメリカ綿の最新情報やU.S.コッ トン・トラスト・プロトコルについての様々なセミナーや、基調講演が行われた。 ⑨ その他 A 経済産業省繊維課、報道/調査機関、ATO(米農務省・農産物貿易大阪事務所) など内外諸団体および個人からの「綿花事情、輸入状況など世界綿花情勢、わが国の 綿花輸入動向と見通しに関する照会」に回答。 B 綿花相場や業界の動向等についてメディア対応。 日本経済新聞中心に取材対応を行っており記事掲載5回他。 C ICACおよびCotlook Ltd.にわが国の月別綿花輸入動向を報告。 D 当会「インターネット・ホームページ」に綿花輸入統計を掲載。 |
(5) 従たる事務所の状況 特記事項なし。 (6) 主要な借入先及び借入額 特記事項なし。 (7) 重要な契約に関する事項 特記事項なし。 |
(8) 会員に関する事項 |
種 類 | 前 年 度 末 | 当 年 度 末 | 増 減 |
正 会 員 | 7社 | 7社 | - |
準 会 員 | 2社 | 2社 | - |
賛 助 会 員 | 8社 | 8社 | - |
賛助Ⅱ号会員 | 4社 | 4社 | - |
合 計 | 21社 | 21社 | - |
(9) 職員に関する事項 事務局長1名、事務職2名、合計3名 (10) 役員会等に関する事項 ① 理事会:令和6年5月28日(火)開催、議事内容は次の通り承認済み。 第1号議案 日本綿花協会・第88回通常総会開催の件 第88回 通常総会開催を「6月20日(木)午前11時綿花会館・大会議室」とする。 第2号議案 令和5年度事業報告書・財務諸表・収支計算書の件 第3号議案 令和6年事業計画書・予算収支書の件 第4号魏案 会長任期満了に伴い、豊島半七氏の再任の件 第5号議案 役員任期満了に伴い、後任理事、監事選任の件 (理事)豊島半七、大下信雄、佐橋由文、武田忠治、原見博樹、 櫻井繁広、佐竹隆一 (監事)杉野友紀、福枡 浩 第6号議案 代表理事の任期満了にともない、大下信雄氏の再任の件 ② 第88回通常総会:令和6年6月20日(木)開催、議事内容は次の通り、報告承認済み。 第1号議案 令和5年度事業報告書・公益目的支出計画書並びに計算書書類・財産目録承認の件 第2号議案 役員任期満了に伴い、理事、監事選任の件 (理事)豊島半七、大下信雄、佐橋由文、武田忠治、原見博樹、 櫻井繁広、佐竹隆一 (監事)杉野友紀、福枡 浩 (11) 許可、認可、承認等に関する事項 ① 一般社団法人の法定手続 A 登記事項 重任理事並びに新任理事選任に基づく登記、令和6年6月27日に完了 (12) 株式を保有している場合の概要 ①出資先:株式会社 綿花会館 ②株数:4,077株 ③保有割合:31.4% ④所有目的:当会が自ら使用する事務所等を確保するために保有する株式 ⑤役員等の関係:当会の代表理事が、出資先会社の代表取締役に、また理事の2名が 非常勤取締役に就任 (13) 対処すべき課題 特になし |
2. 役員等に関する事項 |
(1) 会長・理事 | (令和7年3月31日現在) |
役職名 | 氏 名 | 任 期 | 勤務形態 | 報酬(年) | 他法人の役職状況等 |
会 長 (理事兼務) |
豊島 半七 | 令和8年5月31日 | 非常勤 | 無し | 豊 島 代表取締役社長 |
代表理事 | 大下 信雄 | 〃 | 常 勤 | 480万円 | 綿花会館 代表取締役 |
理事 | 佐橋 由文 | 〃 | 非常勤 | 無し | 東洋棉花 代表取締役社長 |
〃 | 武田 忠治 | 〃 | 〃 | 〃 | 山忠棉業 代表取締役社長 |
〃 | 原見 博樹 | 〃 | 〃 | 〃 | 山 一 執行役員繊維事業部 寝装インテリア部長 |
〃 | 櫻井 繁広 | 〃 | 〃 | 〃 | STX 大阪営業本部副本部長 兼 原材料部長 |
〃 | 佐竹 隆一 | 〃 | 〃 | 〃 | 伊藤忠商事 ファッション アパレル第三部繊維原料課長 |
(2) 監事 |
役職名 | 氏 名 | 任 期 | 勤務形態 | 報酬(年) | 他法人の役職状況等 |
監 事 | 杉野 友紀 | 令和8年5月31日 | 非常勤 | 無し | 杉野商店 代表取締役社長 |
〃 | 福枡 浩 | 〃 | 〃 | 〃 | 日本綿業振興会 常務理事 |
3. その他 |
(1) 三菱商事(株)の申し出により、綿花会館の株式966株を購入いたしました。 (2) 事業報告附属明細書は、報告の内容を補足する重要な事項がないため、作成していません。 |